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弁護士法人心 大阪法律事務所

交通事故における評価損に関するQ&A

  • 文責:所長 弁護士 大澤耕平
  • 最終更新日:2024年6月14日

評価損とは何ですか?

評価損とは、事故前の車両価格と事故に遭って修理した後の車両価格との差額をいいます。

言い換えると、修理後の価格が事故前の価格を下回る場合に生じる損害のことです。

評価損は、技術上の評価損と取引上の評価損に分けられます。

技術上の評価損とは何ですか?

技術上の評価損は、車両の修理を行っても完全な原状回復ができず、機能や外観に何らかの欠陥が存在していることにより生じた評価損を意味します。

技術上の評価損が損害賠償の対象となり得るということについては、欠陥が存在していることはゆるぎない事実であることから、あまり争いがありません。

取引上の評価損とは何ですか?

車両の修理をして原状回復され、欠陥が残存していないときでも、修復歴ありとされ、中古車市場において価格が低下することがあります。

取引上の評価損は、こうした市場での取引における評価損を指すものとされています。

取引上の評価損が認められるのはどのようなケースですか?

取引上の評価損については、中古車市場において価格が低下したケースのすべてが賠償の対象となるわけではありません。

車種、走行距離、初年度登録からの期間、損傷の部位・程度、修理の程度、事故当時の同種車の時価等に基づいて、一定の場合に限り、取引上の評価損を賠償の対象とすることが認められるケースがあります。

このうち、走行距離、初年度登録からの期間については、外国車又は国産人気車種については初年度登録から5年・走行距離6万キロ程度、国産車では3年以上・走行距離4万キロ程度を経過すると、評価損が認められにくいとの目安を示す見解もあります。

取引上の評価損の金額はどのように算定されるのですか?

評価損の算定方法については、修理費用の一定割合とする方法を採用することが多いといわれています。

なお、一般財団法人日本自動車査定協会が発行する事故減価額証明書における査定は、評価損の算定の考慮要素の1つとはなり得るものの、この証明書に記載された減価額そのものが評価損として認められるわけではないことに注意する必要あります。

評価損の注意点はありますか?

評価損については、ローンで購入した車両やリース車両のように、車両の使用者が所有権者と同一ではないような場合には、評価損の請求自体が認められていないため、気を付ける必要があります。

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