障害年金を受け取ることのデメリットはありますか?
1 障害を理由に受け取っている(あるいは、受け取ることができる)お金がある場合、障害年金と調整が必要となる可能性
まず、障害年金を受け取ると、例えば生活保護を受給している場合には、障害年金が収入として認定されるため、生活保護費と調整され、返還を行政から求められることになります。
また、交通事故など加害者がいる事故が原因で、障害年金の支給が必要なほど重い障害を負った場合などには、交通事故などの加害者から受けとる賠償金と、障害年金の受給額の調整が必要となる場合があります。
簡略化した事例で説明しますと、交通事故の加害者に1000万円の後遺障害による賠償を求める裁判をしている途中で、障害年金を200万円程受け取った場合には、加害者に請求できる賠償金額が800万円に減る可能性があります。
あくまで調整が入るということであって、障害年金を受給した結果、手元に残るお金が減るというわけではありません。
ですが、期待ほど保障が手厚くならない可能性があるという点では、デメリットであるといえます。
2 税制面での扶養控除等の対象外となる可能性
また、親族の扶養に入り、自分でも仕事をして一定の収入を得ている方が障害年金を受給する場合、もともと扶養の範囲内に収入を納めていたところ、障害年金の受給額を加算すると扶養の範囲を超えてしまうということもありえます。
例えばパートで年間100万円程度の収入を得ていた兼業主婦の方などが障害年金を受給するような場合には、このデメリットが発生するおそれがあります。
この点については、事前に、自分自身の年収額と受給見込み額の関係からシミュレーションをしておく必要があります。
3 勤務先に知られる可能性
障害年金の受給は、原則として勤務先に知られることはありません。
ただし、会社の健康保険制度で傷病手当金を受けている場合などには、障害年金と傷病手当金の調整の関係で、会社に障害年金を受給していることが知られてしまう可能性があるため、注意が必要です。
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