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Q&A

自己破産をしたらパソコン等の財産もなくなりますか?

  • 文責:所長 弁護士 大澤耕平
  • 最終更新日:2023年8月16日

1 自己破産をした場合の破産者の財産の取り扱いの原則

自己破産をした場合、破産者の財産は原則として破産財団に属することになります。

破産財団とは、「破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって,破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するもの」です。

そして、破産財団に属する財産は、破産手続きにおいて破産管財人が競売その他の方法でお金に変えて、各債権者に平等に配当することになります。

破産法34条1項では、「破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。」と記載されており、破産手続きが始まったときに所有していた財産は、原則として全部、破産財団に組み込まれてしまうことになります。

2 自己破産手続きにおける「財産」の範囲

ただし、破産法34条3項では、この原則に対する例外が規定されています。

「3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる財産は、破産財団に属しない。

一 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第三号に規定する額に二分の三を乗じた額の金銭

二 差し押さえることができない財産(民事執行法第百三十一条第三号に規定する金銭を除く。)。ただし、同法第百三十二条第一項(同法第百九十二条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは、この限りでない。」

このように、差押えが禁止されている財産については、破産財団に含める必要はないと判断されています。

では、差押えが禁止されている財産とはどのようなものかというと、この点については、破産法のなかには明記されていません。

差押えは民事執行法に定められた強制執行の方法の一つですから、差押え禁止財産について知るには、民事執行法を参照する必要があります。

民事執行法131条では、「次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。一 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具・・・・六 技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)」が差押え禁止財産として例示されています。

パソコンについては、債務者等の生活に欠かせない家財道具にあたるか、あるいは、職業、営業上業務に欠くことができない器具として差押え禁止財産にあたり、破産財団に含まれずに済む可能性がございます。

3 財産目録の書式上記載が求められる財産の範囲

なお、大阪地裁の破産申立ての書式では、財産として財産目録に記載が求められるのは、申立時において10万円以上の価値がある動産です。

多くの家庭用パソコンについては、この基準を満たしていないため、財産目録に記載されず、そもそも破産手続きにおいて財産として把握されずに終わることも少なくありません。

4 まとめ

以上のように、パソコンを含めた破産者の財産は、原則として破産財団に含まれて破産手続きにおいて手放さなければならなくなる可能性があるものですが、差押え禁止財産に該当する場合や、そもそも10万円未満の価値しかない場合には、手元に残すことができる可能性もございます。

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