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「任意整理」に関するお役立ち情報

任意整理をした場合の保証人への影響

  • 文責:所長 弁護士 大澤耕平
  • 最終更新日:2024年5月9日

1 任意整理とは

任意整理とは、債権者と、債務者もしくはその代理人である弁護士が話し合いを行い、任意に支払い状況について再合意をするという債務整理の手法の一つです。

例えば、B社から100万円を借りて、毎月1万5000円の利息を含んで3万円ずつ支払いをしていたAさんが、残債務50万円というところまで返済した段階で家計に変化が生じ、毎月3万円を返済しつづけることが難しくなったとします。

そのような場合に、AさんがB社と話し合いをして、「残りの債務を月1万円ずつ50回支払うことで返済を終了してくれないか?」といったことについて、B社から合意を得るために話し合いを行うことが任意整理と呼ばれる手法になります。

2 任意整理による期限の利益の喪失

任意整理は、上記のような内容で再合意が成立した場合、月々の返済額を軽減でき、場合によっては利息の返済も減額できるという点で優れています。

もっとも、当初の約定通りの返済を一時中断しているため、返済の不履行が生じてしまいます。

もし、借入れの際に保証人をつけていた場合には、債権者は、債務者本人からだけでなく、保証人に対して返済を請求することもできます。

そのため、任意整理の申入れを債務者から債権者に対して行うと、債権者は、保証人に対して債務の返済を請求するのが一般的です。

3 保証人の対応

保証人は、法的に保証債務の履行義務を負いますので、債権者から請求を受けると、債務者に代わって借金を支払わなければなりません。

自分が借りたお金ではないからといって、保証債務の履行をせずに放っておくと、債権者から裁判を起こされて給料を差押えられてしまう等の不利益を被ることが考えられます。

ただし、保証人は、借金をした本人ではありませんから、債権者に対して支払いをした場合、債務者に対して、立て替えて支払った分の金銭を支払うよう要求することもできます。

4 保証人がいる場合の任意整理の対応

このように、任意整理をする場合、保証人にも影響が及んでしまいます。

保証人がいる債務について任意整理をする場合は、保証人についても任意整理等の債務整理が必要になる可能性がありますので、その点を十分に話し合った上で、手続きを進めることが望ましいでしょう。

保証人がいない債務については保証人のことを考える必要がありませんので、複数の債務がある場合は、保証人がいる債務は任意整理の対象から外して、その他の借金について任意整理をするという方法も考えられます。

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