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エンディングノートのメリット・デメリット

  • 文責:所長 弁護士 大澤耕平
  • 最終更新日:2024年8月8日

1 エンディングノートとは

エンディングノートは遺言書のような明確な形式はない代わりに、原則として法的拘束力、効果はありません。

エンディングノートは、明確にこれが書いていなければならないというものはなく、自分の死後について残される家族等親しい人に対し伝えたいことを書いたノートのことです。

そのため、多くのエンディングノートに書かれているのは、残される家族や友人に対してのメッセージや葬儀等の死後の取扱の希望、自分の財産についての情報などが書かれる場合が多いようです。

2 エンディングノートのメリット

⑴ 残される家族の負担を減らす

ある人が亡くなり、その相続人が相続手続きを行う際に、大変な部分の1つは、被相続人の情報を集めることです。

どれだけ親しくしている家族でも、意外と知られていないことが多いものです。

遺言書などで、相続財産を全て明らかにしているなどしない限り、その人が持っているプラス・マイナスの財産の有無、種類、それら財産の相続手続きをするための情報(例えば、預金であれば、銀行名と口座番号など)を相続人は調査しなければなりません。

そこで、そういった情報をまとめ、エンディングノートに書いておけば、相続人が相続手続きをする上で調査する手間を省くことができます。

⑵ 死亡ないし意志表示ができなくなったときに、家族に対し、意志を伝えられる

法律上似た制度として遺言書がありますが、遺言書は亡くなった後に相続人が見られるものですので、重病で意思表示ができなくなっただけでは遺言書の内容が開示されることは基本的にありません。

一方で、エンディングノートであれば、それを見られるのは死後に限られているわけではありませんので、意志表示ができない状態になった場合にも見るように伝えておけば、そのような状態になったときの希望を伝えることができます。

また、その内容についても、遺言書は基本的に、自己の相続財産についての希望が書かれることがほとんどですが、エンディングノートであれば、相続財産だけでなく、葬儀方法の希望や個人的なメッセージを相続人以外にも伝えることが可能となります。

3 エンディングノートのデメリット

⑴ 相続人の負担が増える危険性がある

上のメリットと相反すると思われるかもしれません。

しかし、例えば、葬儀について、相続人は慎ましやかに行おうと思っていたが、エンディングノートには盛大にしてほしい、と書かれていた場合、いくらエンディングノートに法的拘束力が原則的にないとしても、最後の希望を無視するということも心情的にできなくないと、盛大にする分負担が生じます。

こうした相続人の負担が増えるデメリットがあります。

⑵ 財産情報流出の危険

相続人が相続手続きをスムーズにするために、相続財産の情報をまとめて、エンディングノートに記載していた場合、それが万が一盗まれたりなどすると、その人の財産が勝手に利用される危険が生じます。

エンディングノートが残される家族に対して伝えたいことが書いてあるものである以上、どこかの貸金庫に入れて簡単に読めないようにしていてはせっかく作った意味が半減してしまいます。

個人情報の記載された、エンディングノートの取扱には、十分気を付けなければなりません、

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