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遺留分権利者の範囲

  • 文責:所長 弁護士 大澤耕平
  • 最終更新日:2024年8月27日

1 遺留分権利者の範囲

遺留分とは、相続人のうち、被相続人の一定の近親者に留保された相続財産の一定の割合であり、被相続人の生前処分又は死因処分によって奪うことのできないものを言います。

その遺留分を有する人のことを遺留分権利者と言います。

兄弟姉妹以外の相続人が遺留分権利者に当たります。

すなわち、被相続人の子や直系尊属、配偶者が相続人である場合には、遺産の一定の割合がこれらの人のために留保され、これを侵害する贈与や遺贈を否認することはできませんが、受贈者や受遺者に対して遺留分侵害額の支払請求をすることができます。

なお、胎児は、生きて生まれれば、子として遺留分権利者になります。

2 遺留分の割合

被相続人の直系尊属のみが相続人である場合は3分の1、その他の場合は2分の1となります。

すなわち、相続人が配偶者や子だけの場合や、相続人が配偶者と直系尊属の場合は、2分の1となります。

そして、相続人が複数いる場合は、遺留分の割合に相続分の割合を乗じた割合で、遺留分侵害額を請求することができることになります。

3 相続欠格や相続放棄等の場合

兄弟姉妹以外の相続人であっても、相続欠格、廃除、相続放棄により相続権を失った者には、遺留分はありません。

ですので、それらの場合、遺留分権利者ではなくなります。

4 子の代襲相続人の遺留分

子の代襲相続人も、子と同じ遺留分の割合で、遺留分侵害額を請求することができます。

子が相続欠格であったり廃除されたりした場合、子には遺留分がありませんが、これらの場合には代襲相続が開始しますので、子であれば孫が、遺留分権利者となります。

一方、相続放棄の場合には、代襲相続は開始しませんので、孫が遺留分権利者になることはありません。

その場合、相続人として子の次の順位にある、直系尊属が遺留分権利者になります。

なお、その場合、直系尊属のみが遺留分権利者となりますので、遺留分の割合は3分の1になります。

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