労災の休業補償が打ち切りになるケース
1 労災保険の休業補償
労災で働けなくなった場合は、労災保険から休業補償の給付を受けることができますが、どのくらいの期間、休業補償の給付を受けることができるのか疑問や不安に思われている方もいるかと思います。
以下では、労災保険から休業補償が給付される期間や、どのような場合に給付が打ち切られるのかについて見ていきたいと思います。
2 休業補償が給付される期間
休業補償の給付を労災保険から受けるためには、労働災害や通勤災害によって、労働者が労働することができなくなり、そのために会社から賃金を得られていないことが必要です。
上記要件を充たしている期間は、被災労働者は、労災保険から休業補償の給付を受けることができます。
ただし、1年6か月を経過してもなお、ケガや病気が治癒しておらず一定の状態にある場合は、休業補償から傷病(補償)年金に切り替わった上で給付が継続されます。
3 休業補償の給付が打ち切りとなるケース
⑴ 休業の必要性がなくなった場合
被災労働者の症状が回復し、休業の必要性が無くなると、上記休業補償を給付するための要件を充たさなくなりますので、休業補償の給付は打ち切られます。
被災労働者がまだ休業している場合でも、労災保険で休業の必要性がないと判断されると給付は打ち切られます。
⑵ 症状固定となった場合
休業補償の給付は、治療期間中に給付されるものであるため、「症状固定」に至り療養費の給付が打ち切られた時点で、休業補償の給付も打ち切られます。
症状固定とは、医学上一般に承認された医療を行っても、その効果が期待できなくなった状態で、かつ、残存する症状が、自然的経過によって到達すると認められる最終の状態に達したときを意味するとされており、それ以上治療しても症状の改善が期待できない場合は、症状固定に至っていると判断され、休業補償は打ち切られます。