遺言書の効力範囲は?無効になるケースや効力の期間
1 遺言書の効力範囲
遺言書には、何を書いても有効になるというわけではありません。
法律上「遺言書に書くと効力が発生する事項」というものが定められていますので、それ以外の事項を書いても、法的な効力はありません。
効力が認められる代表格は、「誰にどんな遺産を取得させるのか」という事項です。
他にも、遺言の内容を実現するために、名義変更などの手続きを行う人を指定したり、子の認知などをしたりすることができます。
2 遺言書の効力が無効になる場合
遺言書を作成する場合、まず遺言書の内容を理解できる程度の判断能力が必要です。
例えば重度の認知症などで判断能力が著しく低下している場合、遺言が無効になることがあります。
また、自筆証書遺言を作成する場合には文字どおり「自筆」であることが必要となるため、パソコンなどを使って作成すると無効になります。
ただし、自筆証書遺言の場合でも、財産目録はパソコンで作ることが認められています。
他にも、自筆証書遺言では、署名・押印がない場合や、日付が記入されていない場合などには、遺言が無効になりますので注意が必要です。
3 遺言書の効力の期間
遺言書は、いつ作成したものであっても、無効になることはありません。
例えば50年前に作成した古い遺言書であっても、法的には何ら問題はありません。
もっとも、遺言書の効力が発生するのは遺言者が亡くなってからです。
遺言者が亡くなるまでの間は、遺言書の効力は発生しません。
4 遺言書を開封する際の注意点
遺言書を見つけた時の注意点として、封がしてある場合には、勝手に封を開けてはいけません。
封をしてある遺言書は、家庭裁判所で開封する必要があります。
もし開封してしまった場合、5万円以下の過料となることがあります。